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青山 玲
この住宅の設計は「a/ha」という決定原理の'発明'に依拠している。
そもそもこの発明をなくしては、この住宅の存在自体がありえなかったかもしれないし、敷地も未だ手付かずのままで放置されていたかもしれない。
「a/ha」というのは、施主のイニシアルを並べたものにすぎない。
もともと僕ら(プロデューサーとしてのイデーとアーキテクトとしての僕)がこの案件をよぶのに付けた名前であり、愛称にすぎなかった。しかし、今にして思えば、実にチャーミングな愛称として機能してくれた。もちろん、「a/ha」というのは他ならぬ「aha/アーハー」であったのであり、照れ臭くて「aha/アーハー」であったり、納得せざるを得なくて「aha/アーハー」であったり、なのである。
時として、クライアントの要求は僕らの建築的欲求とは真っ向から対立するものともなりうる。この住宅においても、クライアントの要求のいくつかは、僕らのそれとは明らかに対立するものであり、僕らのストレスとなりうる危険性をはらんでいた。僕らがストレスフルのままでいることはクライアントのストレスにつながることであり、ひいては僕らの職能を脅かすことでもある。
クライアントの要求「a/ha」に応えられる「ハコ」だけを作ろうと考えた。
「aha/アーハー」という原理によって、クライアント/プロデューサー、クライアント/アーキテクト、プロデューサー/アーキテクト、という二項対立的関係を仲介させようとした。
「aha/アーハー」とだけ応え続けてしまうことに、少しの罪悪感を覚えた。その罪悪感を少しだけ低減させてしまってもいいのではないか、と考えた。そこで道路からアイ・レベルに見えるすべてのものを真っ白く漂白/クリーニングしてしまった。
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