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*「プロダクトデザインの思想」展 図録より
(森正洋氏インタビュー)
ボーンチャイナは磁器より透光性が良いので、その特性を生かした照明器具があるべきだ。僕は磁器の食器を創り続けてきたが、照明となると食器分野とは異なる専門知識が必要で、照明のことを良く知っている人に提案してもらうのが良いと思っていた。
10年程前のことだった。昔からの親しい友人でボーンチャイナ専門のテーブルウェアを作りつづけている会社があり、食器以外の分野への展開を模索していたころでもあった。
愛知県立芸術大学に講師にきてもらっていた落合君に「ボーンチャイナを使ってプロダクト製品としての照明器具を試行してみないか?品質の良いボーンチャイナを手掛けている会社があるんだがと声をかけた。」(当時、愛知県立芸術大学美術学部デザイン工芸科の教授)
しばらくして(何度かの実験の3年後)、デザインコミッティー主催の展示会地場産業とデザイナー展で試作品を見た。(1996年の銀座松屋デパートでのデザインフォーラム企画展にて)「なんて素直な作品なんだ!ボーンチャイナも磁器同様に石膏鋳込み製法だし、もっと過激なデザインをしようとしても出来るんだが、やきものを知り尽くしているような作品に仕上げてきたな!」それが見たときの印象であった。
落合君はやきものの世界の人ではないし、まして初めてボーンチャイナを手掛けるのだからもっとラジカルなデザインをするのではと思っていたんだが、生産を理解したデザインにまとめていた。
出展品のペンダントは単品と群との展示であったが、スリット穴から漏れるひかりとボーンチャイナの透光のあかりとが対比され、透光性の良さを一段と引き出させていた。展示コーナーは美しく優しく輝いていた。
出展作品にはサグラダとあったが、落合君から、バルセロナにあるガウディのサグラダファミリア教会からの借用名だと聞かされるまでスペインなんて全然意識に無かった。ガウディのサグラダはラテンだが落合君のサグラダは和様だと思っていた。現在でもそう思っている。
あのサグラダファミリアに初めて行った時、1970年代のいつだったかちょっと思い出せないが、物凄いエネルギーを感じた。用いられている焼き物なども粗っぽく、粗野で相当ごつごつした仕上がりだった。あれはラテンの感覚だ。しかし、サグラダペンダントは「さぐらだ」、日本人の感覚、今までにない和のあかりの印象だね。「さぐらだ」は一般住宅には高さ寸法が大きすぎて使いにくいと思うが、アレンジ・スケールダウンした「さぐらだ」ミニなら小ぶりで使いやすいだろう。2サイズに品揃えしたのは適策だ。大きいサイズのは高天井の空間に使われたら綺麗だと思うね。特に群をなして吊られたら良い感じの落ち着いたあかり演出ができるだろう。「さぐらだ」は優等生だ。落合君にはエネルギッシュなラジカルなデザイン提案をもっとして欲しいと思っている。サグラダに次ぐ新作を期待したい。 |
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