「家ってなんだろう?」建築家の道に進み、これまで多くの住まいを設計していながら、改めてそう問われると困ってしまったという著者。 「家」というものは、それが形としてできたときが完成なのではなく、その空間に人々が寄り集い、日々の生活が営まれ、活動の場となってこそ、徐々に充実し、完成されてゆくものなのでしょう。 ―本文より一部抜粋― 木陰のある場所 木は大きく枝をひろげ、 深い木陰をつくります。 強い太陽が照る日、 人たちは涼しい木の下に集まる。 ひとりでぼんやりとしたり、 友だちとおしゃべりしたり、 そこにゆっくりとときが過ぎてゆきます。 大きな木の下に入ると、 何か安心できる感じがしませんか? 大きなものに守られているような、 深い屋根の下にいるような、そんな感じがしませんか? 木の根もとから上を見あげると、 枝たちがひろがり、かさなり、 その先に木の葉がいっぱいに茂って、 まるで緑色の光と陰の大きな部屋みたいです。
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