「これは買い!」と小泉誠さんが一目見て気に入ったというテープカッターである。
ぼくは、リビングデザイナーの村澤一晃さんに、はじめて、このテープカッターを見
せてもらったとき、正直、それが何に使われるものかわからなかった。 テープカッターというと、素材は、プラスチックや金属と思い込んでいたし、いかに
もそれらしいカタチをしているものがほとんどだからだろうか。
このテープカッターは、 長方形の木の板に「丸」と「変形の四角」がふたつついているだけである。
その「丸」は、長方形の板に「磁石」でつけてあり、取り外しができる。 「変形の四角」の一辺は、なにやら細かい「溝」が掘ってある。
徳島にある小さな家具工房でつくっているこのテープカッターのデザインは、 村澤さんと工房の合作だという。 あれこれやりとりしているうちにこのカタチに落ち着いたらしい。
ほんとにムダがなく、シンプルな構造である。 そして何より、カッター部分が、金属でなく、木でできているところがにくい。
他の部分は、基本的に、テーブルをつくった端材を使っているので、その時々でいろ んな材料を使っているが、このカッター部分だけは、「こくたん」という木材の中で
も固い材料でできているのがミソだ。
村澤さんの説明を一通り聞いたところで、思わず「そのテープカッター売って!」と
言ってしまった。ぼくは、はじめて見たものをその場で買うことは少ないのにだ。
買って帰って、使いごこちを試してみた。 以前、カタチはかっこいいけど使いにくいテープカッターを買って、いらいらしたこ
とがある。しかし、今回は正解だった。意外なほど、使いごこちはいい。木のかたまりの適度な重さのせいだろうか。
何年か使いこんだこの無垢の木のテープカッターが、どのような味わいになるのかも 楽しみである。
やはり「これは買い!」ですね。小泉さん。
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