工房家具の展覧会で、家具をつくるときにあまった「木っ端」を「ご自由におもちください」というフダをつけて置いておいたことがある。
驚いたことに、その「木っ端」はあっというまになくなってしまった。
考えてみると、よほどDIY好きか、家に暖炉のある人ぐらいしか、加工されていない無垢の「木っ端」を、普通の生活の中で目にすること少ない。それだけに、無垢の「木っ端」の存在感は、なぜか魅力的にうつる。
今回紹介するこの「ビー玉カードホルダー」は、商品名は「モアイ」という。本当のモアイは石のかたまりだけど、このモアイは木のかたまりでできている。
生産地はイースター島ではなく、徳島だ。
この「モアイ」をデザインしたのは、村澤一晃さん。家具デザインを中心に活躍している1965年東京生まれのリビングデザイナーである。
村澤さんは、「コンフォルト」という雑誌で「全国家具産地探訪」という連載をしていた。その何回目かのときに徳島にある小さな家具の工房を訪ねた。
その工房は、木という素材が持つ力強さと自然の色・木目をできるだけ活かしたテー ブルづくりを目指しているという。 そして、そのテーブルをつくったあとに、半端な木が残る。
半端と言ってもテーブルをつくるには小さいだけで、立派な無垢の木である。
村澤さんは、どうやったらこの端材を活かせるかと考えた。 そして、いくつかの日用品をデザインした中のひとつが、この「モアイ」である。
できるだけ手を加えずに、木の固まりの魅力をひきだすことに成功している。 ビー玉がはめこんであり、写真やメモをはさむことができる。
スミレアオイハウスでは、お気に入りのポストカードをはさんで飾っている。
木の種類は、トチ、けやき、タモ、にれ、ブビンガ、くるみ、メープルなどなどである。 あくまで、テーブルをつくるときの端材でつくるので、そのときどきで木の種類はかわる。
ちなみに、スミレアオイハウスにある「モアイ」は「タガヤ」という材種だ。
こんな木のかたまりが家にあると、不思議なパワーをもらえるような気になる。
いっそ、イースター島のモアイみたいに、いくつも並べて飾っておくのもいいかもね。
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